私にとって京都の街は第3の故郷です。そこで生活していた期間の長さを故郷の順に例えた場合です。ちょうど4年間住んでいました。
京都はいまや世界的な史跡ですが、街中は典型的な都会と化していて、現在居を構えている結城と比べても人と車の雑踏は明らかです。それでも住みよい街です。少し路地に入れば京都ならではの風情を感じます。
碁盤目状の路、三方を東山、北山、西山に囲まれた景観と盆地特有の風土、川と疎水の身近な水辺環境、神社・庭園・公園・街路樹を含めた豊富な緑、学生の街でもあって多くの飲食店と手ごろな価格、自転車で往来できる市内など、思い出は尽きません。
そんな京都を、仕事の合間を利用して少し歩いてきました。地図に記載の番号近辺なので、特別な名所などではなくごくごくありふれた街中の様子ですが、私にとってはほんとうに久しぶりでした。
①地下鉄東西線 東山駅下車…京都会館近辺
↑これは城郭を囲む堀ではありません、鴨東運河(おうとううんが)といいます。
鴨東運河は琵琶湖疏水(そすい)の一つで、明治27年(1,894年)に完成しました。そもそも琵琶湖疏水とは、琵琶湖の湖水を京都市へ引水するために作られた水路で、上水、船運、発電、灌漑用水などの用途で明治期に建設された当時の一大事業でした。現在も生活必需である水道原水や防火用水として機能しています。
↓道路を挟んで向かいの建物は“京都会館”です。この周辺には、かの有名な“平安神宮”を始め、国立近代美術館、府立図書館、京都市美術館、京都市動物園が隣接していて、少し足を伸ばせば南禅寺、八坂神社にも行くことができます。
↓京都市美術館(別館)です。
②高野川…高野橋東詰から松ヶ崎方向
上の地図のように、京都市内にはY字の川が流れています。上流左側(西側)が“賀茂川”、右側(東側)が“高野川”で、この2つの川が合流して“鴨川”になります。普段はとてもゆるやかな流れの川で、春になると川沿いの桜並木が満開となり、夏になると新緑に彩られ、秋には紅葉、冬になると雪化粧と、四季折々の情景を魅せてくれます。
このように車道から一段降りたところが遊歩道になっています。川沿いをカップルで歩くもよし、ウォーキングするのもよし、水鳥の戯れる姿とせせらぎは心と身体を癒してくれそうです。
↑遠方の小高い山は東山、別称“大黒天山(だいこくてんやま)”です。山の真ん中あたりの“法”という字が見えるでしょうか?
葵祭・祇園祭・時代祭とともに京都四大行事の一つとされる大文字五山送り火(だいもんじござんのおくりび)の文字の一つ“法”です。大文字山(如意ヶ岳)の“大文字”、西山(万灯籠山)と東山(大黒天山)の“妙・法”、船山(万灯籠山・西賀茂山)の“船形”、大文字山(左大文字山)の“左大文字”、曼荼羅山(仙翁寺山)の“鳥居形松明”から成り、再び冥府(死後の世界)に帰る精霊を送るという意味をもつ盆行事で、盆の翌日に行われます。
大黒天山の麓まで来るとこんな感じです。もちろん登って火床を確認することもできます。詳細は“ふーちゃんの京都デジカメウォーキング”さんで詳しくレポートされていますのでご参照ください。
↓松ヶ崎浄水場横の“白川疎水”です。このように風韻豊かな場面を住宅街の中に見ることができます。この疎水は銀閣寺傍の散策道「哲学の道」の方からずっと続いています。
③白川通北大路交差点付近
こちらは散策とあまり関係ありません。京都在住のときによく入った“餃子の王将 北白川店”です。店内のレイアウトは100%改装されていました。定番の餃子定食を食べました。
ちょっと路地裏に入ると、古き良きたたずまいが残っていました。
いま住んでいる結城の街も素朴でいいですが、引退したら、京都の街にもう一度住んでみたいという思いがします。
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