このところずっと、時間があれば音楽を聴いていたので、ブログの更新が滞っていました。
4月ごろからPCオーディオに夢中になり、音質向上を目的に装置やアクセサリーを揃えてきたのは従前のブログに記したとおりです。
最終的には上流側から次のような組み合わせになりました。
①デスクトップPC
②USBアクセサリー(SAEC USB-FIT)
➂USBケーブル(KRIPTON UC-HRP1.5)
④USBアクセサリー(iFi-Audio iPurifire2)
⑤DAC(Audinst HUD-DX1)
・OPをデフォルトのMUSES8920からMUSES01に換装
・付属のスイッチング式ACアダプターをトランス式安定化電源( DC15V 2Aのカスタム品:写真上)に変更
⑥イヤホン(SENNHEISER IE80)
・リケーブル(Song’s-Audio UNIVERSE Pro)
⑦音楽再生ソフト(Signalyst HQPlayer Ver.3)
手を加えていく度に音質は総じて改善するのですが、多様なジャンルのソースを聴いていると、曲によっては高域の歪み感が最後まで拭い取れずに不満が残る点もありました。
PCオーディオには、これにていったん終止符を打ちます。
DACを最新鋭LUXMANのDA-150やAyre”CODEX”などの上位にグレードアップすればさらに良くなるのでしょうけれど、PCを介在する方法での音楽鑑賞は、いろいろ処置を施そうにもつまるところ、音質ではピュアオーディオに並ぶことはできないのではなかろうか という思いがします。
聴きたい音楽がCDやSACDのパッケージ商品には無く、どうしてもインターネット配信(ハイレゾ)でしか手に入らない場合には、逸品館のAIRBOWコンセプトのようなネットワークプレーヤーをオーディオ機器に組み入れるのが好適だという気がします。
さて、9月中旬からピュアオーディオに回帰しました。
半年以上触れていなかったのですが、いざ電源をいれてクラシック音楽のCDを再生してみると、「あれっ なんだかおかしいぞ!? 高域が歪んでいる!!」。
「機器内部のパーツ類が劣化したんだろうか?」と、突拍子もない憶測に狼狽えながらケーブル類を確認してみると、なんとスピーカー端子が緩んでいました。
この際、少しメンテしてみようと思い立ち、スピーカーケーブルを剥き直し、さらにRCAケーブルを新しいものに換えました。
いままで使っていたRCAケーブルは、確か25年以上前に大阪日本橋で購入したMONITOR-PC社製で、当時7,000円程度だったと思います(型式不明)。
これをortofonのAC-3800Silverに付け換えたのですが、それがきっかけで電線病が発症することになろうとは思いもよりませんでした。
AC-3800Silverは、特に可もなく不可もなくといった個人的な評価ですが、管弦楽のフォルティッシモパートでは高域が少し軽やかに奏でられる印象を受けました。
ただ僕にとって少し抑え気味の高域は、交響曲などを聴いているとだんだん物足りなく感じてきました。
「もう少しグレードの高いケーブルに換えてみたら改善するのではないだろうか!?」という期待がいつしか思い込みに変化し、居ても立ってもいられない状況でネットやオーディオ雑誌をサーフィンしながら辿り着いたのは、 oyaide のACROSS750RRV2でした。
そのACROSS750RRV2のファーストインプレッションを、僕のtweetから引用します。
「アンプとCDPを結ぶRCAケーブルを、ortofonのAC-3800SilverからoyaideのACROSS750RRV2に換えてみました。ジャズのベースが弾み、オーケストラの低域の押し出しが強くなり、弦楽器や金管の高域が伸びやかになり、フォーカスもより明確になりました。」
やっぱりケーブルで音が変わるんです。
まるで魔物のように“一度取り憑かれると骨の髄までしゃぶられる”という脅威(?)の電線病ですが、自分の思いと裏腹に、次に目が行ってしまったのはなぜだかスピーカーケーブルでした…
スピーカーケーブルはAETの6N-14Gです。
今となっては生産完了モデルですが、コスパの高いケーブルとして名の知れた逸品でした。
随分と長い間使ってきましたが、特に不満を感じたことはありませんでした。
電線病に伝染するまでは(笑)…
電線病にかかったら対症療法はありません。
ネットで諸兄の体験談を拝見するに、とりあえずケーブルを買い替えて様子を見るしかなさそうです。
という冗談はさておき、1,200円/mの6N-14Gから5,000~10,000円/mのケーブルに換えてみたら音はどれだけ変わるのだろうか という純真無垢な好奇心もありました。
各社ケーブルの特長、端子の種類、端子の良し悪しなどを一から情報収集し、最終的に決めたのはoyaideのOR-800 ADVANCEでした(写真 上)。
梱包から取り出した最初の感想は、「太いっ! 太すぎる!!」。
物量から見てもコストがかかっているのがわかります。
それではOR-800ADVANCEのファーストインプレッション、前述同様tweetからどうぞ。
・「OR-800ADVANCEなんとか接続完了しました。これまでAETの6N-14Gだったので、その太さに驚いたのと、とりまわしが大変でした。ちなみに端子はYラグで、バイワイヤリングです。さあ、ようやく音の確認です!」
・「ベートーヴェン第6番田園(アシュケナージ)での音質確認。重心が下がりました。低域のエネルギーが増し、相乗してオーケストラ全体の音の厚みも増しました。小音量でも音がやせません。弦楽、金管のff時の高域は、耳につくような刺々しさが和らぎました。解像感は明らかに向上しました。」
・「何度か聴いて感じたことだけど、背景がより静かになった印象を受けました。それから音楽鑑賞で重要な要素の一つだと思うのだけど、受動的な姿勢で音楽を楽しめるようになりました。こちらから聴きに行かなくてもスピーカーの方から音の情報が押し寄せてくるというような感じです。」
・「スピーカーケーブル交換してほんとに良かった。OR-800Aは僕にとっては高級ケーブルの部類。アンドレ ギャニオンなどはスピーカーが消えてしまうような音の広がりをみせます。もっと早くにケーブルに投資してれば というくらいの変わり様です。」
第三者の俯瞰目線でみても、至極感動している様子がうかがえます。
そもそもケーブルは信号を伝送する媒体であり、オーディオ用途においては音声信号を伝送する重要な役割を担っています。
信号を伝送する能力の良し悪しは、いかにロスすることなく、いかに外来影響を受けることなく、いかにピュアな状態で伝送を完了させるかに因るところが大きいのですが、各社とも独自技術、マテリアルの投入により差別化を図っています。
上には上があります。
さすがに10万円以上もするケーブルには手が出せません。
そういった心理状況から察するに、電線病は初期の段階で完治したと言ってよいでしょう。
「あれっ! アキュフェーズからオーディオ用電源コードが単品で販売されている!!!」
「ゾノトーンの7NAC-Granster 5000αて、どんな音がするんだろう???」…
※電線病という言葉はあまり聞こえがよくないですが、自作マニアの方も含めて音質に対する飽くなき探求心と言った方が、本来の解釈としては正しいのかな思います。写真撮影愛好家の間ではレンズ沼という言葉があるように、ケーブル一つとっても各々個性があるので、その違いを楽しむのもオーディオの醍醐味でしょう。
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