音の愉しみ …
いつでもどこでも好きな音楽を聴くことができる携帯音楽プレーヤーとして一世風靡したiPod。
その機能を包含するiPhoneにたすきを渡し、いよいよ第一線から退くそうです。
ハードのみならず、音楽を手軽に購入できるようにとオープンしたiTunesが業界に旋風を巻き起こし、またたくまに(音楽を聴き)ながら族が常態化していきました(悪しき意味合いではありません)。。
ソースが圧縮音源とはいえ、補間技術などが発達したおかげで、普通に聴いている限り特に不満もなく音楽を楽しめるようになりました。
(最近では、ハイレゾ音源に対応した携帯音楽プレーヤーも増えてきましたが。。。)
そのような音楽環境に慣れ親しんでしまうと、よほど衝撃的なきっかけがない限り、物理的な見返りが無いオーディオに自ら関心を寄せるなんて、なかなか起こりにくいのではないかと思うのです。。。
ちょうど僕が少年期の頃は、デジタル音楽なんぞはまだ世に現れておらず、音楽の再生装置といえばラジカセが主流でした。
お年玉を貯めてようやく買ったのがモノラルラジカセです。
手に入れた当初は嬉々として戯れていましたが、そのうち音質に不満を感じるようになります。
当時ピアノを弾いていたこともあって、ラジカセのスピーカーから流れるピアノ音楽はあまりにも貧弱でした。
ラジカセに等身大の音質を求めること自体、お門違いも甚だしいところですが、このことが音楽を少しでも良い音で聴きたいと思うようになったきっかけでもありました。
中学生になると、ダンボール箱スピーカーを自作しました。
近くの電気屋さんで安価なスピーカーユニット(フルレンジ)とグラスウールを買ってきて、即席スピーカーを作りました。
音量を上げるとすぐに箱が鳴くのですが、ラジカセより音質が向上して一人ほくそ笑んでいました(笑)。
初めてオーディオと呼ばれるモノに触れたのは高校時代です。
プリメインアンプはサンスイのAU307、スピーカーはビクターのS-M3、レコードプレーヤーはテクニクスのSL-Q2。。。
それはそれは劇的な出来事でした。
これを機にオーディオ熱がさらにヒートアップしていった訳ですから(笑)。
オーディオというのは、ある意味、青天井的な趣味のようにも思います。
1台1千万円を超えるスピーカー、1台5百万円以上もするセパレート型ユニット類、そして高級アクセサリーの数々。。。
究極は専用のオーディオルームにマイ電柱と、資金も常人の域を遥かに凌駕します。
カッコよく言えば男の浪漫、客観的に捉えれば自己満足の世界かもしれません。
ちょっとした音の変化に敏感になったり、セッティングやアクセサリーに右往左往する日々が数年間続いた時期もありました。
マルチチャンネルの臨場感に夢中になっていた時期もありました。
一方、写真を撮ることに比重が移り、オーディオから離れていた時期もありました。
そして最近、音を愉しみながら音楽を純粋に楽しむことを再び始めました。。。
そういえば、ONKYOやYAMAHAも本格的に中高級商戦へ参入したようです。
もしサンスイが存在していれば、いまどのようなオーディオ機器を世に送り出していたのでしょうね。
サンスイのアンプにはどっしりとした存在感があったなぁ。。。
【追伸】
ついこの前、次男のiPhone用カナル型ヘッドフォンの買い物について行ったときのこと。
オーディオ書誌の評価が高かかった機種を資金援助前提で勧めたのですが、音質より外装色が優先となってずっと安価な機種に落ち着きました。
複雑な心境です(笑)。。。
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