東京電力福島第1原発事故、そして定期点検による各地の原発停止を受け、今夏は電力の使用制限が発動されました。
場合によっては非常事態宣告に値する企業も存在し、生産に直結する電力が全体の8割以上を占めていれば、生産=経営に支障を来たすことになりかねません。橋下知事が関西電力に根拠の明示を求めたのも、そういった背景からです。また、中長期的なエネルギー政策が明確にならなければ、海外への生産拠点分散化が益々進んでいくことになるでしょう。
さて連日、真夏日と猛暑日が列島を襲っていますが、本日から気象庁が“高温注意報”を発表しました。猛烈としか言いようのない暑さですが、電力使用制限と高温注意報というダブルダメージが今夏は重く圧(の)し掛かってきます。
でも、節電が健康を害することになっては本末転倒です。気温が高いにもかかわらずエアコンを控えて熱中症になっては元も子もありません。一部の企業経営陣や事業所所長などの管理権限者は、節電の本質を履き違えないようにしてもらいたいものです。
それから公立の小中学校についても、最低でも扇風機の導入を急ぎ普及させるべきです。学生服から体操服へのクールビズを実践しているようですが、気温が尋常ではありません。手遅れにならないように事前に予防策をとるべきです。
・・・・・家庭内での節電対策もいろいろあります・・・・・
エアコンは確かに消費電力は大きいですが、身の回りの設備に対しても節電に取り組めば“塵も積もれば山となる”で十分な効果を上げることができます。
①エアコン
・室温28℃を心がける。/電力削減率10%
・“すだれ”や“よしず”などで窓からの日差しを和らげる。/10%
・無理をしない範囲でエアコンを消して、扇風機を使う。/50%
②冷蔵庫
・冷蔵庫の設定を「強」から「中」に変え、扉を開ける時間をできるだけ減らし、食品を詰め込まないようにする。/5%
③照明
・日中は証明を消して、夜間も証明をできるだけ減らす。/5%
④テレビ
・省エネモードに設定するとともに画面の輝度を下げ、必要なとき以外は消す。/2%
⑤温水洗浄便座(暖房便座)
・便座保温、温水のオフ機能、タイマー節電機能があれば、これらを利用する。
上記の機能が無ければコンセントからプラグを抜いておく。/10%
⑥ジャー炊飯器
・早朝にタイマー機能で1日分まとめて炊いて、冷蔵庫に保存する。/2%
⑦待機電力
・リモコンの電源ではなく、本体の主電源を切る。
長時間使わない機器はコンセントからプラグを抜いておく。/2%
《経済産業省 節電アクション 参照》
「電力は本当に不足しているか?」という疑念の意見も見かけますが、電力事情の有無に関わらず“減らすことのできる無駄は極力減らすという”古来からの精神でOKだと思います。
・・・・・福島第1原発事故は未曾有の事態に陥ってしまいました・・・・・
本当に原発は安全で安心で低コストなエネルギーなのかを改めて考えさせられた前代未聞の事故です。
一事が万事ではないですが、この機にさまざまな情報が交錯しました。
原材料、製造(建設)、運転、保守、廃棄までのライフサイクルとしてみた場合に、原発は本当に安心・安全なエネルギーなんだろうか?自然災害に対する安全対策を確率論にすり替えていなかっただろうか?
今朝の朝日新聞朝刊1面に掲載された“安全委、全電源喪失検討 93年、重大視せずに放置”という記事。「長期間にわたる全交流動力電源喪失は、考慮する必要はない」という結論です。
多額の金と時間が要る、原発にリスクがあることを公にするようなもの、等々、考慮した場合のマイナス因子抑制を優先したのでしょうか。確率は低くても、冷却不能に陥ればメルトダウンという絶対に起きてはならない現象に至り、甚大な被害が発生するというのに。。。最悪の事態の可能性はゼロではないけれど、いまさら止められない・・・というのが実情だったのではないでしょうか。
「原発がどういうものか知ってほしい」を読みました。今では改善が進んでいる部分もあるのでしょうけど、あまりにもずさんで、そして悲惨な実態を知ることができました。原発は、経済、産業の発展に寄与したというプラス面ももちろんありますが、蓋を開けてみれば“権力” “金” “隠蔽” “工作”に代表される黒い巨大事業のように思えてなりません。
“いまさら止められない”から“止めざるをえない”への方針転換には、犠牲と代償があまりにも大きすぎます。
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