グスターボ・ ドゥダメル というベネズエラの指揮者をご存知でしょうか?
若き天才指揮者の名声を博し、今年のウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートに登場した彼のことを。
僕は最近知りました。それも、Facebookの知人の知人の発信で。
そうなると、早速確かめなくてはなりません。いったいどのような演奏(指揮)なのか。
こういう時に役立つのがYouTubeです。
聴いた曲は「スターウォーズのテーマ(王座の間とエンド・タイトル)」と「マーラー 交響曲第2番 復活」。
この2曲を聴いて確信しました。彼が天才と言われる所以を。
オーケストラが本来有するダイナミズムと繊細で美しい音色を見事に引き出している、あるいは演出しているように感じたからです。
「スターウォーズのテーマ」はなんて情感豊かなんでしょう。
本家本元と比べると、よりクラシカルな趣きがあります。
まるで交響詩のようです。
John Williams across the Stars
(「スターウォーズのテーマ」は2分15秒あたりからです)
Mahler – Symphony No.2
– Simon Bolivar Symphony Orchestra – Gustavo Dudamel
(演奏開始は7分23秒あたりからです)
以上のようないきさつがあって、ドゥダメルのCDを初めて購入しました。
冒頭写真の「マーラー交響曲第5番」です。
オーケストラは、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ。
(録音は2006年2月 ドゥダメル25歳の時)
「マーラー交響曲第5番」については、実は2枚コレクションがあります。
1枚はレナード・バーンスタイン(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)、もう1枚はズービン・メータ(ニューヨーク・フィルハーモニック)。
重厚で情緒あふれるバーンスタイン、ナチュラルで流麗なメータと、対照的な二人を楽しめるのですが、果たしてドゥダメルはどのような演奏を聴かせてくれるのだろうか興味津々でした。
ドゥダメルは、静と動を巧みに表現しているように思います。
静寂とダイナミック、緩と急の扱いが絶妙で、各楽器のパートがとてもきれいに奏でられているような印象を受けました。
これは、奏者が楽器の音色を存分に奏でることができるような環境(速さ、調子、リズム)を、ドゥダメルが作り出しているからだと考えるのは早計でしょうか。
全楽章を通し、総じて感じたことは、まるで映画を観ているかのように味わい深い演奏であったことです。
田園風景を彷彿させる描写表現的な美しさも随所に感じました。
第5楽章のフィナーレは力強く、湧き上がるエネルギーが雄大な波となって押し寄せてくるような迫力がありました。
グスターボ・ドゥダメル…
いやはや、凄い指揮者が現れました。
彼の作品のコレクションがこれから増えそうです。
一度N響と共演してほしいです。
パーヴォ・ヤルヴィ氏やヘルベルト・ブロムシュテット氏等もいいが、ドゥダメル氏や準メルクル氏、パーヴォ・ヤルヴィ氏の弟のクリスチャン・ヤルヴィ氏のような指揮者が来れば、N響も盛り上がるでしょう。
まろ(篠崎史紀)さん、どう思いますか?
NHK交響楽団はあまり聴かないのですが、ドゥダメル氏の招聘が叶えばいいですね。篠崎史紀さんの演奏は聴いたことがありません。ごめんなさい。