アルバム“夢供養”、とりわけラストの“ひき潮”は名曲です。
“夢供養”は、帰去来、風見鶏、私花集に次ぐ4作目です。当時はクラシック以外にも、洋楽、邦楽問わずロック、ポップスなどなんでも聴いていて、中でもしばらくアルバムを買い続けていたミュージシャンの一人が“さだまさし”でした。
音楽ジャンルに捉われない曲調と、詩的なほどに叙情性豊かな歌詞に惚れ込んでいました。
老若男女問わず幅広い年齢層にファンがいるのも、彼の創作曲の芸術性によるものだと思います。
ちょうど“風のおもかげ”というLPまで棚に残っているので、そこまで買っていたのでしょう。
これらのアルバムの中で、特に印象に残っているのが“夢供養”です。
いま聴きなおしてみると10曲すべて(唐八景除く)いい曲ですね。
“パンプキン・パイとシナモン・ティー”…
岡村孝子のユニット“あみん”は、この曲に出てくるコーヒー・ベーカリー“安眠(あみん)”から採っているそうな。
“まほろば”…
春日大社の境内にある万葉植物、それぞれの植物にまつわる歌を歌詞に取り入れ、春日大社から新薬師寺に向かう“馬酔木”の森を自ら訪ね歩いて完成させた曲だそうです。
素晴らしい名曲です。
“療養所(サナトリウム)”、“木根川橋”…取り上げていくと切りがありません。。。
そして私自身の中でベストなのが“ひき潮”です。
郷里という偉大な心のよりどころ…
人は帰るために旅を続け、良きも悪しきもすべてを受けとめてくれる郷里を詠った曲です。
ひき潮はやがて満ちてくることの証であり、新たな門出を示唆しています。
オーケストラによるエンディングでは、望郷への念いが最高潮に達します。
いい曲だなぁ。。。
ひき潮_夢供養より
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