P-750u MARKⅡ
憧れのP-750u MARKⅡを導入しました
ラックスマンの ヘッドホンアンプ P-750u MARKⅡ を導入しました。
ティアックのヘッドホンアンプHA-501-SPからの入れ替えになります。
HA-501-SPは、当時8万円程度で購入し、ニュートラルな音質としっかりとした低音域が気に入っていました。
しかし、時が経つに従い、
「上には上があるんだろうな…」
「価格が高いと、もっと良い音がするんだろうな…」
「上を見ればキリがないし…」
「でも我慢は懐には良くても体には良くないし…」
という正と負の葛藤に悩まされ(笑)、今年に入ってラックスマンへの憧れが日増しに強くなり、フジヤエービックさんのHP祭mini開催記念セールで購入したのでした。
ヘッドホンアンプは、フジヤエービックさんで扱っている商品群を見ると、意外にも据え置き型だけで213件もあります(DAC内蔵・非内蔵含めて、2023年7月25日現在)。
増幅回路や増幅素子の違い、使用している部品のグレード、構造品質、国内外など多様で、価格は1万円台から200万円を超えるものまで。
ラックスマンはL550Xを使っていたころからの好きなメーカで、セール価格が予算内に収まったことで購入に踏み切りました。
清澄で滑らかな音 高い分解能と音像の立体感に感動
S/Nの良さ、背景の静寂性は言うまでもありませんが、音の滑らかさ、微細な凹凸までをもさらに研磨したような研ぎ澄まされた音に驚きました。
低域から高域までの全帯域の分解能が秀逸で、オケの楽器が定位し音像の立体感もしっかり感じ取れます。
目を閉じると、見通しの良い空気感に広々としたステージやホールの音場が形成され、心地良い音で満たされます。
コントラバスやチューバの低域は深く沈み込み、パーカッションの響きは明瞭でドラムの切れ味も十分です。
CDでありながらもストリングスの倍音が豊かに感じ、艶やかな音とその余韻に心酔しました。
中音域のボーカルの声はしなやかで、どちらかと言えばクリアで透明感のある音色のようです。
HA-501-SPでも十分なクオリティと感じていましたが、改めてP-750u MARKⅡとHA-501-SPを比較してみると、音質を構築する全ての要素において、品格、品位の次元が異なるといいますか、その深淵な音楽世界に圧倒されました。
かけているコストは無論のこと、そこはラックスマンの技術の粋によるところもあるのかと思います。
システム構成を参考までに記しておきます。
・COMPACT DISC PLAYER アキュフェーズDP430
・HEADPHONE AMPLIFIER ラックスマンP-750u MARKⅡ
・HEADPHONE ゼンハイザー HD820
DP430とP-750u MARKⅡの電源ケーブルは、アキュフェーズのAPL-1を使用しています。
P-750u MARKⅡには、同社の電源ケーブルJPA-10000iが付属していますが、若干グレードが落ちますし、95周年記念限定モデルP-750u LIMITEDに付属していたJPA-15000であれば良かったのですが。
DP430とP-750u MARKⅡは、バランスケーブルASLC-10で接続。
(ASLC-10は、後継モデルが販売されているようです)。
P-750u MARKⅡとHD820の接続は、標準のアンバランスケーブル(6.35mm)を使い、端子にはアコースティックリヴァイブのファインメット マルチノイズ サプレッサーFNS-PHONEを装着しています。
電源関係は、コンセント、電源ケーブル、電源BOX、インシュレーター、クォーツレゾネーターなどもアコースティックリヴァイブのオーディオアクセサリーを多用しています。
決してプラシーボでもオカルトでもありません。音声信号に悪影響を及ぼす電源ノイズや歪を除去したり、導通性能を向上させたり、制振により音の情報量を増やしたりすることで、オーディオ機器本来のパフォーマンスを引き出すことができるからです。
ちなみに、マルチノイズ サプレッサーFNS-PHONEを外してみると、一聴顕著な事象として高域に変化が現れます。
この音を良しとするかは個人の好みですが、一般的に高周波ノイズが乗ると高域に歪みが生じ、それにより高域がよく聴こえるようになったという錯覚に陥ります。
ソースによっては、高域の歪感があからさまになり、刺々しさ、キツさ、聴き疲れのような現象を引き起こします。
ことP-750u MARKⅡに限っては、そのような歪感はありませんが、なによりもFNS-PHONEを外すことで、空気感、分解能、音像の立体感など音楽鑑賞の醍醐味が縮小されてしまいました。
ここで誤解しないで頂きたいのは、そもそもP-750u MARKⅡの音質は圧巻で素晴らしく、出音には不満がありません。
FNS-PHONEの装着により、透明で静寂な音場表現や情報量が拡大しプラス側に寄与しているということです。
HD820について
私自身、当初、クラシック音楽を中心にHD650の音に感動し、それ以来ゼンハイザーのヘッドホンには絶大な信頼を寄せています。
写真のHD820は密閉型でありながらもクリアで自然な音場を生み出し、音楽のディテールを明瞭に描写します。
ガラス製トランスデューサーカバーが特徴的で、このヘッドホンの機能美を表現しているように思います。
一つだけ不満を述べるとしたら、冬場の低温期に発生する、ガラス製トランスデューサーカバー内側周辺部の白い曇り(結露)でしょうか。
このガラス製カバーは、トランスデューサーの背面から出る音波をアブソーバーへ反響させる役目を担っていますので、結露の凹凸によりその反響特性に影響を及ぼさないのかいささか疑念を抱きました。
ゼンハイザーカスタマーサービスに問い合わせたところ、次の回答を得ましたので参考に転記しておきます。
□質問
早速音楽を1時間ほど聴いて気がついたのですが、ガラスカバーの内側周辺部に白い曇り(結露)が発生していました。
数時間静置後には曇りは消滅していました。
また、部屋に暖房を入れて(21℃設定)音楽を聴いても同様に曇りが発生しました。
この現象は、今後繰り返し発生しても、性能、品質にはまったく影響が無いのでしょうか?
マニュアルには製品使用前に最低2時間放置の注意事項が記載されていましたが、それを遵守して音楽を聴いたあとの現象および高価な商品なので心配になりました。
■回答
HD 820のガラス内側の曇りについてのお問い合わせの件、本社に確認しましたところ、以下の通り回答ありましたので、ご案内申し上げます。マニュアルの「安全に関する情報」のページから引用しています。
▷ 製品を使用する前は最低2時間放置してください。イヤーカップを寒い場所から暖かい場所に移動すると、ガラスパネルに結露が生じることがあります。
技術仕様のページに記載
温度範囲動作。-10℃~ +55℃ 保管。-20~70°C
相対湿度(結露無し)使用時:10~80%、保管時:10~90%
これらの設定範囲内であれば、製品は安全に使用できます。
なんとも素っ気ない感が否めません。
音楽を再生する機材なので、マニュアルを熟読した上でその性能品質への影響を尋ねたのですが、回答は結露無しの安全性についての記述のみで、それもマニュアルを転記しただけという、肝心なことはスルーされました。
要は結露が発生しない環境で使ってくれということなんでしょうね。
冬場の室内温度を何℃に設定すれば良いのやら、環境やエネルギー消費に優しくないような、絶大なる信頼に揺らぎが生じ始めています…
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