朝目覚めると、雲ひとつない青空が広がっていました。
青い空、青い海、青い花、青い鳥,,,
青色は私たちに安らぎを感じさせてくれるとても清楚な色ですが、その昔、色料としての青はとても重宝されていました。特に江戸時代の阿波では、藍色の染料を採るための藍が特産物として広く栽培されたそうな。
プルシアンブルー(Prussian blue)は、独 ベルリンの顔料職人ハインリッヒ・ディースバッハが、鉄を原料にして造れることを発見した青色顔料です。当時の王国“プロイセン/Preußen(英語名 プロシア/Prussia)”に由来してプルシアンブルーと呼ばれるようになりました。
紫色を帯びた暗い青色は、和名では紺青(こんじょう)と呼ばれています。江戸後期には、世界的も有名な浮世絵師葛飾北斎の代表作 富嶽三十六景にもプルシアンブルーが多く使われているそうです。
プルシアンブルーは、2価の鉄イオン(Fe2+)、3価の鉄イオン(Fe3+)そしてシアン化物イオン(CN-)を組成とした面心立方格子の構造体ですが、実際には一部の鉄イオンが水分子や他のイオンに置換されていることが多く、他のイオンを取り込む性質があることもプルシアンブルー型錯体の大きな特徴です。
この特徴を利用した用途展開では、粒径10nm(1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm)以下という微結晶の空孔にセシウムイオンを選択的に吸着する性質を利用して、内部被曝(ひばく)用薬剤としても承認されているそうです。
参考文献:
・「プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を開発」
独立行政法人 産業技術総合研究所
・「プルシアンブルー使用に関する注意喚起」
独立行政法人 放射線医学総合研究所
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