オーディオ評論家 菅野沖彦氏の記事・エッセイは読んでいて面白い。面白いとは、興味深い、心を惹かれるという意味での面白いです。
季刊StereoSoundの巻頭言の“主義と主張”。
主義・主張を徹するのは容易ではありません。人は憂い悩んだときに、この主義・主張を徹することに苦しみます。そのようなときには、楽観的思考になることで精神的閉塞感から開放されることはよくありますが、ここで言っている“主義・主張”はもっと崇高な意味合いであり、その人の考え方・思想の根底となっているイデオロギーともいえます。したがって、そこに正論、曲論の本質を見出すのは根本的にナンセンスかもしれません。なぜなら主義・主張と偏重とはまったく異なる概念だからです。
菅野沖彦氏の活字には、美辞麗句もゴシップもありません。徹頭徹尾 主義・主張を感じ取ることができます。だから面白いのです。
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