2015年6月22日、フランス ヴェルサイユ宮殿「鏡の間」にて催された ランラン のピアノコンサート。
ショパンのスケルツォ全4曲とチャイコフスキーの四季が収録されたBlue-rayです。
Sony Classicalが公開しているteaserのスケルツォに思わず心がときめき、また一つランランのコレクションが増えました。
五線譜の音符と音楽記号に込められた詩人の思いを、彼の不羈奔放(ふきほんぽう)なセンスで解釈し表現したヴェルサイユのライブ演奏です。
ランランは、ご存じのとおり感性の赴くままに鍵盤を奏でるヴィルトゥオーゾですが、その天真爛漫で豊かな音楽性に魅了されている方も多いのではと思います。
ただ、ときに精神が高揚し、まるで自制を失ったがごとく拙速で勇み足的なフレーズになってしまうところもあったりして、それもまた彼の持ち味の一側面でした。
ところが今回のスケルツォは、これまでのランランと一味違うように感じるのです。
彼特有の表現色はそのままに、曲の全体像を捉えながらコントロールを随所に効かせたとても深みのある演奏で、僕の主観では見事としか言いようがありません。
スケルツォは、イタリア語では冗談、滑稽、ユーモアというような意味だそうですが、ランランはその10指を駆使し、例えようもない優しさ、美しさ、粒立ち、ため、弾み、強震、律動を巧みに織り交ぜて聴衆に披露しました。
1曲が終わるごとに映し出される拍手喝采と笑顔の数々。
誰もが感動し、心が震えたような面持ちです。
ショパンの神髄を感じる名演奏…
マウリツィオ・ポリーニのショパン エチュード(1,972年録音)、クリスティアン・ツィマーマンのショパン ピアノコンチェルト(1,999年録音)、そこにランランのショパン スケルツォ(2,015年ヴェルサイユライブ)が加わりました。
今回の演奏のみの偶然の賜物なのか、それとも心技の昇華による演奏スタイルの変化なのか、ランランの今後にますます目が離せません。。。
“Lang Lang in Paris” / “Lang Lang Live in Versailles” Teaser
Lang Lang – The “Making of” Lang Lang in Paris
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