モニターを買い換えました。
ブログを開設し、デジタル写真に興味を抱いてから熱中していくにつれ、画像データを正しく再現できて、かつその機能を安定して持続可能なモニターを手に入れることが念願でした。
2,009年6月、CRTから卒業して初めて購入した液晶モニターがアイ・オー・データLCD-MF221XGBRでした。
16:9光沢パネル(グレア)、フルハイビジョン対応、「リアル」モード(ドットバイ・ドット表示)機能搭載など、TN型(Twisted Nematic)で視野角は狭かったものの、ネット閲覧、game、Blu-ray映像鑑賞には十分なモデルでした。
この液晶モニターの購入と時を同じくしてデジタル一眼レフカメラK-7を買いました。
それから1年後の2,010年7月にブログを始めました。
撮影した写真を気ままに掲載しているのですが、どこかのサイトでカラーマネージメントについて知ってから、素人ながらにモニターの特性に関心を持つようになっていきました。
・モニターの色温度と明るさは経時変化する。
・モニターには色の個体差がある。
・カラーマネージメントを実践するためには、モニターのプロファイルを正しく設定する。
・モニターのキャリブレーションにはソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーションがある。
・ハードウェアキャリブレーションに対応したモニタなら、パソコン(ビデオカード)からの出力ではなくモニター内部の出力を変更することで求める色表示を実現するため、階調や色つきへの影響を最小限に抑えることができる。などなど…
僕の場合は、印刷までのワークフローにおけるカラーマネージメントシステム(CMS)とはほど遠く、あくまでモニターで画像を確認することが主たる個人的趣味作業なので、僕にとってのキャリブレーションは自己満足の世界かもしれません。
しかしながら、“画像データを正しく再現することはモニターに求められる基本性能である”という信念を貫き通し、この度EIZOのColorEdge CS230-CNXを購入しました…Oh Yeah w
ColorEdgeのエントリーモニターという位置づけのCS230ですが、僕にとっては必要十分な機能を有しています。
僕が選択したのは、専用カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator」とハードウェア・キャリブレーション用センサーが付属したモデルCS230-CNXです。
EIZO直販サイトでは¥69,800…
ColorEdge CS230-CNX (ColorNavigator付属、EX2センサー付属)
(モニタ単体モデルCS230は¥59,800)
ColorEdge CS230
普及型のモニターに比べると高価ですが、ColorEdgeを冠するカラーマネージメント用モニターとしてはリーズナブルな価格を実現してきましたし、最終的にはそれが購入トリガーとなりました。
どうしても従前のモニターが比較対象になってしまってLCD-MF221XGBRには非常に申し訳ないのですがw、僕がCS230を素晴らしいと思った点は次のとおりです(順不同)。
・スタンドがものすごくガッチリしている
昇降・チルト(上下)・スウィーベル(左右)に対応しており、使用環境に合わせて画面の高さ・角度を調整できます。
どっしりと安定した土台という感じです。
・色度の安定化機能を有する
モニター内部に周囲の温度変化を感知するセンサーが搭載されていて、温度変化に伴う色度変化を抑制し、階調特性(ガンマ値)の変化を補正するそうな。
前のモニターでは画像の色度変化?に悩まされていたので、とても嬉しい機能です。
・画面全体で輝度と色度の均一性が保たれる
輝度と色度が均一になるように画面全体、全階調で補正を行い、画面の表示均一性を保つ機能をもっています。
・コレクションセンサーを内蔵
モニターの躯体上部に小さなセンサーが内蔵されていて、あらかじめ記憶させた白色点・輝度を保持するために、定期的な表示補正を自動で行います。
ハードウェア・キャリブレーション用センサーで調整した際に設定値を記憶し、コレクションセンサーで現状をセンシングして設定値に補正する機能です。
僕は、ハードウェア・キャリブレーションを200時間おきに行うようにしているのですが、その間、コレクションセンサーは50時間毎に作動するように設定しました。
パワーセーブ機能(コンピュータの状態と連動してモニターを省電力モードにする/しないの切り替え)をONにしておけば、設定時間に達するとPCの再起動時などにセンサーがピョコッと飛出してくるんですよ。
・IPS(In Place Switching)型液晶
今となっては主流のタイプですが、前のモニター(TN型)ではちょっとした視野角のズレが画像の表示に影響していたので、その有難味を実感しています。
・ノングレア仕様
前のモニターとは根本的に異なるところです。
映画の鑑賞ではグレアの鮮やかさが一歩抜きん出ていると思っていたのですが、このCS230のノングレアの映像は綺麗だと思います。
グレアのもつ光沢感は、ノングレアでは原理上劣ってしまうのは事実ですが、これまで述べた機能の相乗効果でしょうか、Blu-ray映像の鑑賞も個人的には十分楽しめてます。
なお、このモデルには、アクセサリーの液晶保護パネルは現時点では対応していないそうです。
コレクションセンサーが飛び出してくるのでパネルを取り付けられないとか。
購入を検討しているときに、このパネルで光沢面化しようと目論んでいたので、EIZOに問い合わせた経緯がありますw
自分が撮影した写真を正しく再現する、他の人がネットに掲載している写真を正しく調整されたモニターで閲覧する…
キャリブレーションは、PCの使途によっては無関係、無関心なジャンルですが、少なくとも画像データにのめり込めばのめり込むほど気に掛かってくる事柄ではないかと。。。
僕は気に掛かってどうしようもありませんでしたが、画像の確認・調整・閲覧を安心して行うことができるという精神的な安堵感をこのCS230で得られたような気がします。
(追記:2013.2.8)
欲を言えばこのCS230に付加して欲しかった機能があります。
エージング時間の短縮です。
兄貴分のCX240については、「モニターの電源を入れてからわずか7分(CX240:当社測定条件による)で輝度、色度、階調特性が安定するように設計されています。」と特徴が謳われていますが、CS230にはそのような機能はありません。
取説には「製品内部の電気部品の動作が安定するのに、約30分(CS230)/約7分(CX240:当社測定条件による)かかりますので、モニターの調整は電源を入れて30分以上(CS230)/7分以上(CX240)経過してからおこなってください。」とあります。
30分という時間は一般的な液晶モニターのエージング時間だと思うのですが、CS230を使ってみて分かったことは、コレクションセンサーはPC起動後(モニター通電後)60分以上経過しないと動作しない仕組みになっていました。
これは、キャリブレーションが厳密な調整ゆえにエージングを1時間みているということだと思いますので、写真データの現像・調整をする場合も、僕の場合は念のためPC起動後(モニター通電後)1時間経過してから行うようにしています。
はじめまして
写真印刷の用途で ColorEdge CS230-CNXの購入を検討している者です
同機種を買った方に質問をさせていただいております。
実際、使用してどうでしょうか?
ギラつきがきついとも聞いておりますが、直視できないレベルでしょうか?長時間使用でなければ問題ないでしょうか
お答えをいただけると幸いです
こんにちは!
お便りありがとうございます。
ご指摘のギラつきですが、写真の現像作業やHD映像(映画など)の観賞を長時間していても特に感じたことはないですよ。
興味がてらWEBで調べてみましたら、確かにギラつきを感じられる方もいらっしゃるのですね。
http://miyalog.blog.so-net.ne.jp/2012-11-25_ColorEdge_CX270
私自身ギラつき感ということに鈍感なのかもしれませんが、個人的には問題ありませんです。