私にとって音量調整とは、音を楽しむための大変重要なファクタであり、神経を使う作業です。
ロックやポップスなどのジャンルは、低音のドスを効かせたドンシャリ調でしかも大音量で鳴らせば、たしかに迫力があって、まさに音楽を体全体で感じることができる楽しみがあります。そういう私も10代後半から20代前半にかけて、どんな音楽ジャンルでも音量を上げて聴いていました。
しかしそれでは、音の全体像や流れは把握できても、楽曲を構成するひとつひとつの音を聴覚上で区分できず、個々の音の固有の美を感じ取ることはできないことがわかりました。あくまでも個人的な感想ですので異論反論はあろうかと思いますが、そもそも個人個人の音量の設定は、老若で、男女で、聴く対象のジャンルで、そのときの気分で、音楽を楽しむ物理的環境で、などなど多種多様なのは事実だと思います。
対象の音楽によって、ちょうど良いピンポイントの音量というのは、私の場合必ず存在します。だから音量調整は、難しくもあり楽しみでもあります。ダイナミックレンジが広いクラシック音楽などは大変です。
音量が重要になってくると、アンプのVolumeの形状、質感、操作性も重要になってきます。これらの要素は、音を楽しむ行為とは互いに密接な関係にあって、視覚と触覚が聴覚を補完する役割を担っていると思うのです。
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